日本帰国前の準備に追われつつ、同時に進めていたアメリカ横断の予定が決まりました。
もともと希望していたよりも期間は短くなってしまったのですが、4/26から6/7までの42日間、詳細な目的地は定めずに、レンタカーでアメリカを横断、というよりは放浪します。
これまでの経緯
思い立ちと決意
アメリカ横断そのものは、もうずっと昔からやりたかったことでした。(アメリカ横断したい)
おおきなきっかけになったのは昨年秋頃、高校時代の友人で写真家のShota Miyakeとの再会。
二ヶ月のアメリカ横断を経てNYへやってきた彼と七年ぶりくらいに再会して聞いた、アメリカ”大陸”の姿。
ずっと自分がやりたかったことを、今まさにやってきた男の話に、心が震えました。
そしてこの時に「来年は自分も行く」と、強く決意しました。
とは言え具体的なプランがたたぬうちに仕事の関係で日本への帰国が決まり、事実上実行は不可能かと半ば諦めていました。
しかしこの企みが大きく動くことになったのは昨年末、一時帰国中の東京。
日本帰国を決意した直後、お世話になっているある方とのお酒の席で、「帰国する前にアメリカ横断をしたかった」という話をした際「なぜ今やらないのか?」と聞かれました。
「君が今失うものなんてたかが知れてる」
…
確かに。
幸か不幸か、ぼくの人生においてまだ「守らなくてはいけないもの」はほとんどない。
地位も、名誉も、安定した生活も、所有する土地も、何もない。
やりたいという思いに対し、その壁になっていたのは自分が勝手に作った「できない理由」のみ。
それを認識した瞬間、ぼくは今まで溜めこんでいた思いに突き動かされ、この旅を実行することにしました。
帰国して本格的に仕事を始める前に、関係者各位には頭を下げてお時間をいただきました。
いつまでたっても大人になれない男の、頭おかしいんじゃねえのかっていうようなそんな夢の背中を押してくれる大人がたくさんいたこと、それが嬉しかった。
クラウドファンディングやスポンサー探し
当初の予定では、アメリカから一度国外に出て戻り、ESTA有効期間の三ヶ月間をフルに使って横断をしようと考えていたのですが、さすがに三ヶ月もの旅の資金は充分ではありませんでした。故にこの旅を一つのプロジェクトとして、クラウドファンディングやスポンサーによって資金や物資を提供してもらいながら実施することを考えました。
もちろん、ただお金を下さいでは成り立たないので、アメリカ横断に特化した現代版の「深夜特急」的メディアを作るとか、アメリカ各地における民泊の調査をするなど、支援者や企業にとってメリットのある形を模索しつつ、クラウドファンディングを運営するREADYFOR社に問い合わせてプロジェクトの準備を開始しました。
また同時に、スポンサー募集のための企業への企画書なども併せて制作し、日本にいる友人らの協力を得ながら様々なアプローチを試みました。
紆余曲折ありながらも、様々な人の協力や助言をもらいつつ、実際に数社へのアプローチにも成功し、クラウドファンディングもプロジェクト発表直前まで至りました。
しかし。
準備期間の中で心変わりがあり、急遽(それまでに進行中だったものを除いて)スポンサー集めを中断することにしました。
理由
実際のところ、連絡させていただいていた企業さんからは好意的なリアクションも多く、お断りはされたところでもエールやアドバイスなどを頂けたり他の企業さんを紹介して頂いたりと、想像していたよりもずっと順調でした。(これは日本にいた相方の協力が大きいのですが
またクラウドファンディングも、様々なリターンとストーリー性&一貫性のある告知を準備し、自賛ではありますがそこそこの出来で、担当者の方からも強く後押しをして頂くことが出来ていました。
あとはもう進めていくだけ。
「これが成功すれば、すごくおもしろいことになるぞ。」
そのはずだったのに、ずっと自分の心の中に引っかかりがありました。
「これで無事スポンサーも集まりクラウドファンディングも成功したら、その先にあるのは・・・?」
確かに潤沢な資金が手に入り、様々な体験ができるはず。
しかし同時に行動には制限がつき、報告や調査の義務、そして責任が課せられる。
あれ?
そういや俺、なんのために旅したかったんだっけ?
…
…
…
ぼくには、この旅を誰かのためにやりたかったわけではありません。
元々は、ただ自分が好きでやりたかっただけの旅。完全なる自己満足でした。
しかし、3か月という期間にこだわるあまり、色んなモノを無理やりこの旅に載せようとしていました。
いつのまにかそこに理由をつけて、「誰かのためにならなくてはいけない」という頼まれてもいない義務感に追われていました。
なんのためにアメリカを横断したいのか?
本質はどこにあるのか?
「とにかくアメリカ大陸をこの目で見たい。(ほんでブログとか使って、見てくれる人にちょっとおすそ分けして、旅とか海外に出るきっかけの一つになれたらいいな。)」
思いを辿ってみれば、たったそれだけでした。
そこに、理由や意義をどれだけ見出したって、結局後付けだし、本質ではない。
それでお金を集めることは、なんだか違う気がする。
だったら自分の用意できるもので、もし支援を受けられるとしても、自分を消耗せず出来る範囲のみで、やりたいと思いました。
その後
READYFOR社には、プロジェクトの準備のためにお時間をいただいたにも関わらず、プロジェクト発表前に辞退することとなってしまい、大変ご迷惑をおかけしてしまいました。
ただ、担当者の方には最後まで親切に対応して頂き、辞退後にも暖かい応援の言葉を頂きました。
改めて感謝します。ありがとうございます。
また他のスポンサー募集に関しては、話が本格化する前だったので、こちらから辞退/お断りするようなことはありませんでした。(ただし数社、お忙しいにも関わらず親身にお話を聞いて頂き、大変感謝しております。)
ただし一部、非常に魅力的な提供及びご提案をいただいたので、それに関しては道中に少しずつ紹介させていただきたいと思います。
これからのこと
この記事が投稿されている時点では、もうすでに出発まで一週間を切っています。
出発の準備をしながら、五年も暮らしたニューヨークでやり残したことがたくさんあるような焦燥感、本当にアメリカを五週間も一人で旅ができるのだろうかという不安なども少しずつ襲ってきて、しかし同時に溢れんばかりの期待感と興奮もあり、とにかく心身ともに落ち着かない日々が続いています。
おそらくこれが、人生最後の長い夏休み。
いろいろしたいと思っていますので、ご興味ありましたら是非追いかけてやって下さい。