一ヶ月近く更新が止まっていたのは帰国の準備に追われていたから、というのもあるのですが、実はひっそりとこんなサイトを作っていました。
本ブログの方向性として今後、もっとカジュアルで個人的な内容を増やしていきたいなぁという思いがあり、「ニューヨーク情報」というのはその中で浮くなぁと感じていたので、それに特化したサイトを作ってみました。
実のところ、このブログ自体はPVの伸びはそれほどないものの、先月は発生が10万円を超えたりなど収益性が急激に高まっていて、正直このままこのブログに力を入れる方が収益性的には可能性があるんじゃないのか、とも思っていたのですが、「あくまで自分的にしっくりくる形にしたい」という気持ちを優先した結果、ミニサイトを制作するに至りました。
全て独学の素人目線ですが具体的な手順や気をつけたことなどをまとめたので、今後同じように同カテゴリの記事をスピンアウトしてミニサイトを作りたいという方の参考になれば幸いです。
ミニサイト制作に至った動機
大体は最初に述べた通りなのですが、やはりどうしてもニューヨークの観光情報や留学に関するノウハウなどと、その他自分の好きな内容を一緒の空間においていることに違和感を覚えていました。
私的にはもっと自分の体験や意見を述べるようなものが書きたいと思いつつも、ニューヨークに関わるネタは読んでくれる人も多いし書きやすく、それはそれで書いていて楽しいものでした。一時期はそのごちゃ混ぜ感もいいかと思っていたのですが、やはりどこか違和感が拭えず、それならばいっそ別サイトを作ってしまえばいい、という結論に至りました。
また、「ブログ単体で10万円を稼げたら」と密かに思い描いていた目標が達成できたことで、そのまま収益を伸ばすためにブログを育てる、ではなく、だとすればこうしたらどうなるのか、という実験をしてみたくなったという好奇心もありました。
まがりなりにSEOやアフィリエイトの知識をつけてきて、それを全力で試す場が欲しかったのですが、心境的に今のブログの状態ではやり辛く感じており、それならいっそ、もうそれ用の別ステージを作ってしまうことにしました。
収益性を目指してミニサイトを作る、というお話をよく聞きますが、それに関してはほとんど何も考えていません。
これが結果的にどうなるかというのは一切考えない、完全なる見切り発車でした。
ミニサイト制作の過程
サイトマップの制作
サイトを作ることを決めて最初に作ったのがサイトマップ(構成図)。
まずは今まで書いたニューヨーク関係の記事の一覧を用意してざっと確認し、「自分が欲しい情報」をベースに「足りない記事(内容)」を穴埋めしていくイメージでリストを作りました。
下図はサイトの構想を思いついた時にEvernoteにざっくりとメモったもの。
実際に出来上がったものとは内容が結構変わっているのですが、そのあたりはあまり気にせず、とにかく箇条書きで作りました。
同じようにされる方へのアドバイスとしては、ノウハウ本、ガイドブックの目次を作るようなイメージで製作していくのが良い、と思います。
フレームワークの制作
続いて、サイトの骨組みに当たるフレームワークの制作。
フレームワークってなに?って方はこちら。
サイトマップに基づいて「どんなサイトがいいかなぁ」と考えながら、構造を作りました。
といっても上で紹介されているようなサービスなどは使っておらず、全部手書きでざっくりイメージを作った感じです。
下図はかなり初期段階のメモ。ざっくりコンテンツを書き出して、どことどこの内容が繋がるかなどを考えていきます。
あくまで方向性を決めるためだけのものなので、細かいところまではあまり考えず、ざっくりと何パターンか考えました。
ドメインの取得
サイトのだいたいの設計図が出来たら、次はブログの住所ともいうべきドメインの取得。
ぼくはこのブログと一括管理したかったので、ブログ開設当初から利用しているムームードメインで取得しました。
>>>ムームードメイン
サーバーへ登録
さらに取得したドメインを、現在利用しているエックスサーバーへと登録。
>>>エックスサーバー
ログイン後のサーバーパネルからドメインの追加を行って、サイトの登録。
登録後からサイトにアクセスできるまでは最大1日かかるので、気長に待ちます。(この間にフレームワークなどを制作しとくといいかも)
WordPressのインストール
無事登録が済んだら、指定ドメインにWordpressをインストール。
こちらもエックスサーバーログイン後のサーバーパネルから行えます。
テーマの適用
サイトのテンプレートに選んだのは、パワーブロガーであるENJIさん(@ENJILOG)が制作された”micata“。
基本的にショップ系にオススメらしいですが、構造的に自分が作りたかったものとイメージが一致していたので選びました。
また、ブログを始めた当初に彼が制作されたStingerシリーズを使っていてインターフェースにも馴染みもあり、あの頃に比べて自身でどれくらいカスタマイズできるのか試してみたかったのもあります。
ただ後になって思えばmicataの良さが活かせてない点からも、オリジナルであるStinger 7の方でも良かったかもと思っています。(笑)
有料テーマという選択肢(2016年10月追記)
Webデザインを仕事としてさせてもらい始めたこともあってWordpressを色々と見ているのですが、最近「これはいいものだ」と思ってるのがデザインプラスさんのTCDテーマシリーズ。
各テーマ10,000円前後するので導入にはややソワソワしますが、すでに記事がある状態であとは枠組みにはめ込んでいくだけというミニサイト作りのスタイルを考えた場合、その枠組み(デザイン)を高品質な有料テーマにするのはめちゃめちゃ合理的だと思います。
10,000円の投資はミニサイトの収益で回収すれば良いし、ミニサイト製作を素早く行いたい方にとっては最適ではないでしょうか。
そんな中でもTCDのテーマはデザイン性、利便性、カスタマイズ性のどれをとっても非常に優れており、カスタマーサポートも充実していて安心して使えます。
実際に私用でいくつか購入したことがあるのですが、専用のプラグインなども用意されていて、非常に簡単なカスタマイズでかなりイメージに近いものを作ることができます。
ノウハウ系ならMAG、
写真を主体にしたものならVIEW、
記事数がすでに十分多いサイトであればFOCUSあたりがお勧めです。
プラグインの導入
無事にテーマが決まったら、役立ちそうなプラグインを導入します。
今回のサイトでは、基本的は”WordPressお勧めのプラグイン一覧“で紹介されていたものを中心に、用途に合わせて以下のプラグインを利用しています。
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【利用したプラグイン一覧】
- Auto Post Thumbnail-一番上の画像を自動的にサムネイル化してくれる
- Contact Form 7-お問い合わせ画面を作れる
- Currencyr-リアルタイム為替情報を表示する
- EWWW Image Optimizer-画像を自動で圧縮してくれる
- Google XML Sitemaps-XMLサイトマップを制作してくれる
- Imsanity-自動で画像を指定の大きさにリサイズしてくれる
- Preserve Editor Scroll Position-編集中の保存を記憶してくれる
- PS Auto Sitemap-サイトマップページを作れる
- PubSubHubbub-ブログの更新情報をGoogleにいちはやくインデックス
- Search Regex-コンテンツ内の同内容を一括検索できる
- ShowID for Post/Page/Category/Tag/Comment-投稿のIDを表示
- Speech bubble-吹き出しを作れる
- Table of Contents Plus-目次を作れる
- WordPress Popular Posts-人気記事を表示
- WP Canvas-様々なショートコードを追加
- WP to Twitter-更新情報をTwitterへ通知できる
全てプラグイン名を検索すればWordpressサイト内で見つけることができます。
上記で紹介したものはあくまでもぼくが利用したもの、必ずしも全てのミニサイトに最適というわけではないので、参考程度にしてください。
デザイン
サイト内のロゴやヘッダー、プロフィールなど必要な画像を用意します。
ぼくは基本的にPhotoshopやIllustratorなどを利用して作りました。
また、ブログの見出しやレイアウトなどのデザインは全て子テーマを利用して、イメージに合わせてCSSや各PHPを変更していきました。
これらに関する知識は全て独学なので、プロの方から見たら目も当てられないようなコードになっていると思います・・・(恥)
>【フリーランス】独学でWebデザインを学び、仕事を得るまでの道のり – metroglyph メトログリフ
記事の移行
デザインの変更がおおよそ終わった段階で、記事の移行を進めます。
見出しや字間、フォントの調整などは、その都度。
記事の移行方法は超アナログで、一記事ずつコピー&ペーストで行いました。
リライト
当然記事内容が古かったり、誤字脱字や文章が酷かったりなどが多くあったので、一記事ずつ直せる範囲で修正していきました。
こちらはまだまだ改善の余地があるので、様子を見てちょくちょくやっていこうと思います。
広告ASPの入れ替え
完全に別サイトを作ったので、過去の記事に記載していた広告サイト(ASP)のアフィリエイトリンクは全て入れ替えました。
これも一つずつ手作業でやりましたが、良く使うリンクはまとめて保存しておき、都度コピー&ペーストをするようにしたことでだいぶ効率は上がりました。
リンクの入れ替え
一番面倒だったのが内部リンクの入れ替え。
記事内の内部リンクを全て旧ドメイン(sagadylan.com)から新ドメイン(basikny.com)に変える必要があったのですが、パーマリンク構造を変えたのでテキストエディタなどでの一括置換が出来ず、一つずつ手で修正していきました。
後述のリダイレクト設定をすればもしかしたら必要ないのかもしれないのですが、なんとなく嫌だったので全部やりました。(A型のさが?)
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結局、移行/修正したのは100記事超。
この量だと、作業量的にはブラウザでやるのは正直無理がある気がします。
ぼくは基本的には、ブログの記事製作を抜群に効率化してくれるエディタ、MarsEditで全て行いました。
リダイレクト設定
全てが完了した後、元になるこのブログの古い記事から新しいサイトの記事へとリンクが飛ぶようにするため、Redirectionというプラグインを使い、対象の記事を301リダイレクトするよう設定しました。
この作業は外部ではできないので、ダッシュボードから一つずつコピー&ペーストで行いました。
制作したサイト
そしてなんとかWebサイトが完成!
こちらが新しく制作したミニサイト”BASIK NEW YORK”になります。
正直、この規模を「ミニ」サイトと呼ぶのには違和感があるのですが、一応そう定義されるみたいです。
ニューヨークの観光や旅行情報などに特化したサイトで、「これを見ればニューヨークの基本的なこと(BASIC)に、ぼくなりの”ヒトヒネリ”(C→K)が味わえる」というコンセプトで作りました。
もうすぐニューヨークを去るので、ある意味自分のニューヨーク生活の集大成を一つのサイトにまとめたような感じ。
ブログ、というよりは情報サイト的な構造を意識したので、ガイドブック的に使ってもらえればいいなと思います。
また、完結したサイトではなくブログとして今後も更新していく予定です。ニューヨーク関連では書ききれていないことも多いので。
制作期間
実際に制作にかかった時間は、およそ三週間。
といってもこればっかりやっていたわけではないので、集中的にできていればおそらくは五日~七日でできたんじゃなかろうかと思っています。
オープン丸一日後のPV数の推移
おそらくはミニサイトを作ろうかと悩んでいる人が最も気になる部分である流入数の推移ですが、たった一日で大きく変化が見れました。
まずは本ブログmetroglyphですが、PVが激減しました。
だいたい一日のPVが2500~3000くらいあったものが、およそ1500前後まで一気に低下。
おそらくこれは、リダイレクトした結果今まで検索で引っかかっていたmetroglyphの分がBASIKに吸い込まれたことによるものでしょう。
で、BASIKはというと、オープン初日からまさかの1000PV超え。
これは見事にmetroglyphが吸い込まれた分そのままの数値です。
これなら一見問題なさそうに見えるのですが実はそうではありません。
この段階ではまだニューヨーク関連の記事でmetroglyphが検索順位を維持しているおかげで、そこからの流入がBASIKに流れてきていますが、今まで被リンクを集めてきたmetroglyphの結果はGoogleから消え、代わりに全く被リンクのないリダイレクト先のBASIKがGoogleでゼロスタートとなります。
実際、チェックツールなどで見たところ早くもmetroglyphの頃には1ページ上位だった記事が、ほぼ同内容にもかかわらずBASIKで50位以下まで落ちる(正確には入れ替わる)という事態になっていました。
BASIKの結果がmetroglyphの頃と同じ順位まで上がってくるにはおそらくしばらくの時間がかかるでしょうし、そもそも上がってくれるのかもわかりません。
また、ランクインページが減少したことでmetroglyphそのものの価値が下がり、ニューヨークに関係ない記事の順位低下も予想されます。
実際丸一日を過ぎて、両サイトのオーガニック検索での流入数は激減しています。(まさかの2ケタ)
気軽にオススメはできない
新サイトの設立や記事の移動は思った以上に大変です。
また上記のように検索順位のガタ落ち=収益ガタ落ちの恐怖もあります。
これから原稿ブログのスピンアウトによるミニサイト製作をお考えの方は、直後は収益激減の可能性があることだけはお覚悟の上、チャレンジしてください。
ぼくのBASIK NEW YORKはこれからどうなるでしょうか。
また、ある程度状況が安定してきたら報告します。
これからミニサイトを作ろうと思っている方の参考になれば幸いです。
そんな感じで。