「アメリカ横断」という言葉にみなさんはどんな景色を思い浮かべますか?
ぼくにとってのアメリカ横断というのは、まさにこの上の画像、モニュメントバレーの景色でした。
どこまでも広がる荒野に一本だけ走る道。そこを駆け抜けていく一台の車。
この道のど真ん中でこの写真を撮ることは、アメリカ横断を語るためには必要不可欠な行為でした。
だから、この景色が見えた時ぼくはやっぱり興奮しました。
「きた、ついにきたんや!アメリカに!」
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そしてこの15分後、この興奮の代償として”この旅のために購入した”GoProがぶっ壊れました。
ユタで迎えた緊張感ある朝
先日はアーチズ国立公園でネイティブアメリカンの死生観について色々と考え、非常に深いところにまで思考を落とし込んでいたのですが、夜はいつも通り寝床探しに必死になり、なんとか見つけたレストエリアで夜を迎えました。
いつも泊まるレストエリアに比べて人気もなく、どことなく危険な香りがしていたのですが、結局何ら問題もなく朝を迎えました。
とりあえずこの日は移動があったので早起き。昨晩寝床探しに奔走してガソリンが減っていたので、非常にローカル臭ただよう無人ガソリンスタンドへ。
こんな感じなのに支払いはクレカオンリー。
アメリカのカード文化、半端ない。
ブラフ
そのまま走らせているうちに偶然見つけたのが、ブラフという小さな町。
ここにはブラフ・フォート・ビジターセンターという、かつてヨーロッパからの開拓民がアメリカへとやってきた時の彼らの暮らしぶりを紹介する、街型ミュージアム(?)がありました。
おそらくはもともとここにあったのであろう家などを再現し、そこに住んだ人々や、彼らに使えていたネイティブの奴隷(使用人)などの生活などについて、様々な展示がおかれていました。
まるで西部劇の世界。展示されていた内容を読む限りでは、ここではネイティブと開拓民の関係は良好だったように見えます。(実際のところはどうだったのかわかりませんけど)
ここでしばらく散歩した後は、街の高台に登ってぼんやり景色を見たりしていたのですが、そうこうしているうちにウトウトしてしまい、軽く昼寝を。
気がつけば2時間くらいたっていて、慌ててモニュメントバレーへと再びハンドルを切ります。
モニュメントバレー
163号線をひたすらに走り、進路はただひたすらモニュメントバレーへ。
景色は、着実に理想へと近づいていきます。
ここはまだモニュメントバレーではないですが、もうすでにこのTHE アメリカな景色にテンションは上がりっぱなしで思わず自撮り。
立ちションしてるように見える。(してません)
見よこの赤い大地を。これだ。これがぼくの思い描いていたアメリカ横断の世界だ。
そしてついに・・・
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モニュメントバレーきたーーーーーー!!!
正確にはこの道はバレーロードと呼ばれる、西部劇で有名な映画監督ジョン・フォードが映画撮影のために切り開いたもの。
どこでこの景色を最初に見たのかは覚えていないのですが、なぜかこれがぼくにとってアメリカ横断を象徴するものになっていました。
この先が、いわゆるモニュメントバレーと呼ばれるエリアで、正式にはモニュメントバレー・ナバホ・トライバル・公園としてナバホ族の管轄となっています。
このため以前に入手した国立公園の年間パスは使用不可。公園の入場には$20が必要でした。
普通ならここで$20払って公園に入るのがセオリーなのでしょうが、ぼくの最大の目的はこのバレーロードの景色に身を置くことだったので、今回は公園内へ入ることを辞めました。
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いや、ぼくがここに入るのを辞めたのは、のことで、気が沈み、それどころじゃなかったからかもしれません。
GoProが死んだ
バレーロードの圧倒的な景色にテンションが上がりっぱなしだったぼくは、道中車を止めて、何度も何度も写真を撮りました。
それと同時に、車を走らせながら動画も撮りました。
ずっと来たかった場所。アメリカ横断を象徴する憧れの場所。
「この姿を徹底的に記録に収めたい!!!」
ここ数年で一番ピュアな瞬間だったかもしれません。
そんなだから普通の撮影方法では飽き足らず、ぼくは車の外にGoProをつけて撮影することを思いついたのです。
こんなこともあろうかと、今回の旅のためにぼくはこういうものを用意していました。
GoProをゴムで吸着させるタイプのアクセサリで、オフィシャルでも車のボディにこれをつけて撮影している画像などがありました。
(via:http://shop.gopro.com/mounts/suction-cup/AUCMT-302.html)
だからぼくは、これを信じてGoProを車の外側につけました。
ただし、運転席横のガラス部分に。
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あとはもうご想像のとおりです。
そしてその後のGoProの無残な姿はこちら。
正面のモニターが割れて見えなくなり、右下の部分に関しては変な方向に曲がって剥がれてます。
ちなみに裏側はもっと酷く、バッキバキに割れています。
結局新しいGoProを買うことに
一応モニターが死んでも使えないかとあれこれ触ってはみたのですが、やはり再利用は不可。
しばらく悩んでいたのですが、結局新しいGoProを買い直す決意をしました。
絶対に必要か、と言われれば微妙でしたが、これまでの動画などでGoProの映像を多用していたことと、何よりアメリカ横断半ばでこれからGoProのあの映像が撮れなくなることが耐えれませんでした。
ただ、ぼくがこの時使っていたのはGoPro HERO4 Silver。
しかし予算的にこれを買い直すとなるとあまりに厳しかったので、再購入するものは廉価版であるGoPro HERO Sessionに決定。
ただ問題は、どこで買うかということ。
現在いるのはネイティブアメリカンの保護区であるナバホ居留区。
ここでは、GoProはおろか電気屋すら見つけるのが難しい。
これから目指そうと思っていたアンテロープキャニオンは、西に約2時間。
しかし、もしGoProを買い直したいのであれば最寄りの近い店は南に約3時間走ったフラッグスタッフという街のBestBuy。
時間的ロスを考えれば究極の選択ではありましたが、この時のぼくにとってはやはりGoProを優先したい思いが強く、結局フラッグスタッグへとハンドルを切ることになりました。
GoPro HERO Session購入
というわけで無事に3時間ドライブを経てフラッグスタッフのBestBuyへと到着。
BestBuyにて一度在庫確認された時は焦りましたが、なんとか無事にGoPro HERO Sessionをゲット。
これで再び広角の写真及び動画が撮れます!痛い出費だった!
ただ、ぼくの写真及び動画の用途を鑑みてみると、実は最初からこのSessionで良かったんじゃないか、というのが実際に触ってみての感想。
考え出したらどんどん悲しくなるのでやめます。
結局この日はこれからフラッグスタッフのマクドナルドでしばらく作業したのち、近くのガソリンスタンドで夜を迎えました。
後日、アンテロープキャニオン最寄りの街であるページにWalmartがあるのを発見し、そこでGoProが売られていた事実を、この時のぼくは知る由もありません。