ニューヨークで暮らし始めてからまもなく六年目に突入します。
当初からの憧れだったアメリカ横断を未だ達成せぬまま結局こんなに時間が経ってしまったのですが、未だ諦めていません。
「どうしてアメリカを横断したいのか。」
同じ思いを持つ人はかなりたくさんいると思うのですが、今一度それに向けての思いを考えてみることにしました。
幼い頃からの憧れ
僕が始めてアメリカの地を踏んだのは1995年。小学一年生の時でした。
父の仕事の関係で三ヶ月ほどアメリカのテキサス州にいたのですが、旅好きだった父に連れられ、まだ小さかった妹を含め、家族4人で車で数週間かけてアメリカの南東部を車で回りました。
大阪で生まれ育った僕はそれまで地平線というものを見たことがなく、ましてや野生のスカンクやアルマジロが実在する生き物だなんて考えもしませんでした。
代わり映えのしない何もない道をひたすら走り、時折見つけたマクドナルドで食事をし、小さな町に立ち寄ってはモーテルなどに宿泊する。
たった数週間ですが、まだ物心ついて間もない僕には全てが新鮮でした。
具体的にどこに行ったのかの詳細は覚えていないのですが、車で半日のドライブをしながらアメリカの大地を走る毎日。
旅の途中か終わった後か、アメリカ大陸の地図を見ながら父に、この旅を通して行った場所を教えて貰った時、「こんなに長く移動したのにたったのこれだけ?」、とアメリカという土地の広大さに衝撃を受けたのは忘れられません。
そしてその時に思いました。
いつかこの大陸を制覇したい、と。
なぜそう思ったのかはわかりませんし、制覇の基準もよくわかりません。ただそれはのちに「アメリカ横断」という形となり、人生で必ず叶えたい夢の一つとなりました。
だから五年前、アメリカに移住する時にも心に誓っていました。
「ニューヨークで暮らしているうちに、絶対アメリカを横断してやる」と。
気がついたら五年経っていた
「いつかアメリカ横断する!」と、NYに行って以降の僕を知る多くの人は、僕がこうのたまっていたのを知っていると思います。
とは言え、学校の忙しさやお金のなさを言い訳にいつまでたっても行動には起こさず、「行きたい」という気持ちは嘘ではないにしろ、とりあえず目の前にあるものを優先し、「いつかきっと」と夢を横に置いていました。
確かに僕がアメリカ横断することで誰かの得になったりもしないし、しなかったところで誰にも迷惑はかからない。
むしろアメリカ横断することで、僕自身には貴重な体験になるかもしれないけれど、同じくらい貴重なお金も時間も、さらには健康や命すらもリスクにかけてしまう。
本当にやる意味あるんだろうか?
こんなことを考えること自体、もはや言い訳ですが、とにもかくにもそうやって言い訳を作り、僕はやらないまま今に至ります。
実際に横断してきた友人たちの話
ところがここ二ヶ月の間に一気に、アメリカを横断してきた末にニューヨークで出会った友人たちがいました。
1人は、ブログを通じて知りあったまえはらかずひろさんの紹介で出会ったToshiくん。
そしてもう1人は、高校の同級生であり写真家として活動するShota Miyake(Facebookページ)
2人はともに車でアメリカを横断してきた末ニューヨークで話を聞いたんですが、もうその話が刺激的で羨ましくて、一度しかないこの人生にこれをやらないワケには行かないと、確信を持たせてくれました。
特に二ヶ月間たっぷり時間をかけてアメリカを見渡してきたShotaの話や写真が壮絶過ぎて、もうその話の翌日には飛び出したかったくらいでした。(Shotaのアメリカでの写真はこちら)
今ならやれる・・・むしろ今しかやれない
「じゃあいつやるの?」
と自分に問いかけた時、
「今でしょ!」
とは言えない自分がいるわけです。
それは単純に現実的な問題・・・仕事、ビザ、アパートの契約、お金などに由来します。
ただし4月末までには現状あるものは全て片付けられます。
それまでに期限のある仕事は全て終わらせ、アパートの契約も終え、学校も終わるので、そうすればいよいよ時間的言い訳は出来なくなります。
問題はお金。
全くのゼロというわけではありませんが、かといって横断するのに足りるほどの貯蓄があるわけでもなく、かといってそのために違法なバイトでがむしゃらに働くのは違います。
しかしこれに関しても、旅しながら稼ぐとかスポンサーを募るとかなんか色々動けそうなことがあるので何とかなるでしょう。っていうか何とかします。
となると五月くらいにスタート?
いずれにしても、2016年内にNYからは本帰国する予定でいるので、だとしたらもういっそそれに合わせていっそ横断して帰ってやろうではないかと。
四月中に全てカタがつくのであれば、五月スタートでもいいのかもしれない。
「え?まじで?やっちゃう?」
そんな思いがふつふつと湧き出している2015年最後の夜です。
考え始めたら、眠れないのです。