初めてキーウエストに訪れたあの日、ぼくの胸は高鳴りました。
どこまでも広がる青い海に、自分が立っているのはアメリカの最南端であるという事実に。
バージニアへとたどり着いた時、どこまでも広がる自然に震えました。
その澄んだ空気と青々とした景色に、ぼくの見たかったアメリカがここにあると。
ホワイトサンズに一人立った瞬間、地球の、自然のすごさに圧倒されました。
白と青に埋め尽くされた世界を見て、地球にはぼくの理解が及ばない景色がまだまだあると。
この旅を初めて一ヶ月と少し。
ほぼ毎日なんらかの絶景に触れてきました。
でもそれは、少しずつぼくの感性を鈍らせていきました。
それらの感動を全て受け切れるほど、自分のキャパは大きくなかった。
この日のルート
グランド・キャニオンの朝
二度目のグランドキャニオン。
この日はこのグランドキャニオンの北側であるノースリムのビューポイントを色々と見て回ろうと予定していましたが、やめました。
あまりにもいろんな景色を見すぎてお腹いっぱいになってしまったような感覚になってしまい、この日はもう、ゆったりとフラッグスタッフに戻ることに。
もう随分と手慣れた、キャンプ自炊。
と言ってもインスタントを温めるだけですが、火を起こすのに四苦八苦していたことを思えば随分な成長です。
自然の中で、虫や動物にも慣れました。
テントを張るのもかなり上手くなりました。
テントの中で「寝る」のは最初から上手かったです。(笑)
いろんなことに、「慣れすぎ」てきたような、そんな感覚。
フラッグスタッフへ
この後目指すのは、フラッグスタッフ。
GoProが壊れた時に買い換えるために立ち寄ったあの街です。
なので走る道も、途中からは前に見たのと同じ景色。
特になんの感慨もなく、ただひたすらと道を走り、フラッグスタッフへ到着。
この時点で、三日ほどシャワーを浴びない日が続いていたので、急遽Airbnbで宿を取ることにしました。
当日予約が可能なところを検索し、良さげなところを見つけてコンタクトすると、すぐに返事が帰ってきて、あっさり寝床を確保。
そこから一気に気が抜けてしまったのか、ガソリンスタンドの駐車場で
2時間ほど昼寝。
夕方、チェックイン時間になったのでAirbnbの宿へ。
男女二人で一軒家をルームシェアしているという、日本ではちょっとありえなさそうなシチュエーションの中、宿泊させてもらいました。
少し町外れの、アリゾナの広大な荒野の中にぽつんと立つ家。
ライフスタイルってのは本当に様々です。
他の宿泊客がいなかったということで、本当はリビングのソファのところ、個室を使わせてくれるということに。これもAirbnbあるある。
久しぶりのシャワーと、ゆっくり作業できる環境だったので、これまでに撮った写真の整理などをして、床につきました。
ぼくはもっと感動できると思っていた
この旅に出る前、ぼくは、これから自分が見るであろう様々な景色に心を踊らせ、毎日が刺激だらけで感動しっぱなしなのだと勝手に思っていました。
実際、そういう場面は何度もありましたし、というかほとんどの場合はそうなんですが、なんというか、受け止めきれない自分がいたことがショックでした。
毎日のように圧倒的な景色を見ているうちに、なんだかそのスケールの大きさが当たり前に感じられてしまって、あんなに「見たかった」絶景たちは、いつのまにか「見なくちゃいけない」ものとして、ノルマのような形になっていたのかもしれません。
だからこそこの日、あえて何も見なかったのは、とてもいい目と心の休息になったし、感覚をリフレッシュをすることができました。
旅には休息が必要だ
思い返せば、海外旅行って往々にしてこういうことがありますよね。
限られた時間の中で、あそこも見てここも見て、と無理くりスケジュールを組んで、全然時間に余裕がないまま、とりあえず観光地を巡る、みたいな。
でも、大事なのは「何を見たか」よりも「何を感じたか/学んだか」なのかもしれません。(ってこれだけで一本書けそう。
長い旅路には、休息が必要です。
目と、心を休めて、感受性をしっかり保ちながら絶景に触れなければ、それは「ただ見ただけ」になってしまいます。
ぼくの旅の目的は、行った場所や食べたものを撮った写真をシェアすることが主目的ではありません。
この旅を通して感じ、学ぶこと。それが一番大事だったはず。
今回の件で一つ学んだことは、「自分の感受性の器の浅さ」でしょうか。
いやー、ぼくはもっと「感動できる」人間だと思ってたのになぁ・・・(笑)
そんな感じで