会社作ります宣言通り会社設立の手続きをはじめたのですが、「今はネットが発達してるから会社設立がチョー簡単でしょ!」なんて思い込んでいました。
だから「会社作るぞ!」と高らかに宣言したものの、ぶっちゃけ大してやることもないやろ、なんて甘く見ていました。
しかし
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いやほんと甘かった。
誰だよ、会社5分で作れるとか言ったやつ…
会社設立までに必要な手続き
後からわかったことですが、会社を設立するまでにはざっくり並べても以下のような手続きが必要になります。
- 定款(ていかん・会社の事業内容とか決まりごとが書かれた書類)の作成
- 会社用印鑑の準備
- 公証人による定款の認証
- 認証された定款の受取り
- 法務局に登記書類の提出
この時点で、会社の設立自体は完了。
しかしここからさらに会社をしっかり動かしていくため
- その後の手続に必要な書類を法務局でもらう
- 社会保険の登録
- 法人口座の作成
- 事業用クレジットカードの作成
などの作業が必要になり、この行程にそこそこの時間がかかります。
このプロセスをしっかりと理解していなかったせいで、ぼくは会社設立までにものすごく苦労しました。
会社設立めっちゃ簡単って聞いてたのに…!
同じ過ちを犯す人が一人でも減るよう、ぼくが実際に会社設立までどのようなプロセスを辿ったのかを備忘録的にご紹介します。
会社設立freeeに登録
まず、ぼくが会社を設立するにあたって、そのハードルが低いと思わせた元凶が「会社設立freee(フリー)」というサービスでした。
ネットを探せばこの会社設立freeeを使った体験談の数々を散見することができるのですが、かつてそれらを流し読みした記憶から、ぼくは会社設立というものを完全に見くびっていました。
「この会社設立freeeというツールを使えば、オンラインで情報の入力するだけで、一日足らずで会社というものができあがる」
そんな風に考えていたのです。
…で、実際のところ
会社設立に向けて会社設立freeeを使い始めてみると、確かに恐ろしく簡単でした。
言われた通りに項目を埋めていくだけで、あっという間に必要書類ができていきました。
…しかし最初のページの最後の項目で、引っかかってしまったのです。
それが、個人の印鑑証明書と会社の印鑑。
どうやら会社の設立には、代表の実印を登録した印鑑証明なるもの会社の印鑑というものも必要とのこと。
会社の印鑑は当然もっていなかったのですが、20代の半分をアメリカで過ごし日本での社会人経験がなかったぼくは、個人の実印すらも持っていませんでした。(正確にはどれが実印かわからなかった)
というわけで、個人の実印と会社の印鑑を作るために会社設立の作業は一時中断してしまいました。
>>>印鑑登録&証明が必要だったので、ネットで実印を注文してみた。
定款の認証
実印を手に入れ、すぐさま市役所にて印鑑登録。
印鑑証明も取得し、晴れて次のステップへ。ようやく手続きが終わる・・・。
…と思いきや、続いて出てきたのは「定款の認証」なる項目。
定款をオンラインで提出したら手続き終わりだと思ってた。(真顔)
…どうやら定款の認証とやらには「電子定款」と「紙定款」という二種類があるということが発覚。
紙定款を使うと印紙代4万円かかるのだけど、電子定款にすると無料になるので、今はほとんどの人が電子定款で行うとのこと。
ただしこの電子定款とやらが曲者で、自力でやろうと思うと、お役所の非常にわかりにくいシステム上で電子証明書の取得、電子署名ソフトのインストールなどが必要になる上、それらができるのがWindowsのパソコンのみという、もう色々と前時代的な仕組み。
なのでこの作業のみを行政書士さんに依頼するのが一般的らしいのですが、会社設立freee上で依頼を行うと、たった5,000円の手数料で代行してもらえます。
さらに、同じ会社が提供している「クラウド会計ソフトfreee」という中小企業向け会計ソフトの年間契約(約20,000円)をすれば、この手数料が無料になるのです。
会社を作ると決めた時から会計ソフトの導入は決めていたので、これを機に年間契約を行って代行手数料を無料にし、認証の手続きを行政書士さんに依頼しました。
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行政書士さんからの返事を待つこと数日後、定款の認証が完了したとの連絡がありました。
手続きを開始してからすでに一週間が経過していました。
定款の受取り
続いては、公証役場に認証済みの定款を受け取りに行きます。
ぼくが行ったのは大阪の本町公証役場。
本町公証役場はこのミニストップの入っているビルの中にあります。
取りに行く公証役場はfreee上で事前に決定しておく必要があるのですが、自分の生活圏内で一番行きやすい場所を選んでおくといいでしょう。
こちらの公証役場にて定款認証代金である51,900円を支払い、無事に認証済みの定款をゲット。大体15分くらいで手続きは完了しました。
事前に持参したCD-Rにも定款のデータを入れてもらい、定款認証に関する手続きは完了です。
次は、この定款をもって法務局に行き、いよいよ登記です。
法務局にて登記書類の提出
翌日、freee上で作成された登記書類と印鑑、そしてできたてホヤホヤの定款を持って、すぐに法務局へ向かいました。
ぼくが行ったのは茨木市にある北大阪支局。
まずは二階奥の印紙売り場にて、必要な登記印紙の書類を購入。
ここで購入する印紙は登録免許税というもののためなのですが、なんとその額150,000円!
札束が一瞬にして二枚の切手(印紙)になってしまうのには、流石に震えました。
持参した書類に印紙を張り、商業法人登記申請の窓口に提出したら登記手続きは終了です。
あとは登記書類に不備がないかの確認に10日程かかり、指定日までに特に連絡がなければ、無事登記は完了。晴れて会社が設立されます。
ちなみに、この法務局に登記書類を提出した日が会社の設立日になるということを聞いていたので、なんだかものすごく気合を入れて行ったのですが、正直、入って出るまで5分もなかったと思います。あまりにもあっけなかった。
15万円がたった二枚の印紙に変わり、書類の確認受理は1分で終わった。こんなあっけないものだったとは。 (@ 大阪法務局 北大阪支局 in 茨木市, 大阪府) https://t.co/GVHiAm8VfE pic.twitter.com/6t0Er2akAb
— Susumu Harada (@sagatman) 2018年2月8日
会社設立後の手続きについて
登記手続き完了予定日である2月19日を無事に迎えたものの、法務局はわざわざ「会社できましたよ〜」なんて連絡はくれません。
むしろ、連絡がないということは会社ができている証拠らしいので、19日を迎えたこの時点で会社ができたことになりました。なんかこう、おめでとうございます!的なのはない。
ただし、会社が設立されたらはいOKというわけでもありません。
再び法務局に行き、「履歴事項全部証明書」と「印鑑証明」という二つの書類を発行してもらわなければ、
- 社会保険の加入手続き
- 法人口座の開設手続き
という法人には必須の二つの作業ができないのです。
法務局にて登記後の手続きに必要な書類をもらう
というわけでfreeeで指示された用紙を印刷&押印し、会社の登記手続きが完了したであろうその日に再び法務局へ向かいました。
まずは先日と同じ窓口にて「印鑑カード交付申請書」を記入し、印鑑登録。(会社印が必要です)
印鑑登録が終わると(10分くらい)、印鑑カードが交付されます。
これは言わば会社のマイナンバーカードみたいなもんで、これがないと会社の「印鑑証明書」をもらうことができません。
再度印紙を購入して、証明書発行の窓口にて「履歴事項全部証明書」と「印鑑証明」をそれぞれ3部ずつ取得。(各所で必要になるから、3部くらいは用意しといたら、窓口で薦められました。結果的にこれは正解でした。)
この二つが揃えば、これから様々な手続きを始めることができます。
各所に書類を提出する
お話をさせて頂いた税理士さんが、「履歴事項全部証明書と印鑑証明が手に入ったらあとの手続きはやりますから」と仰ってくださったおかげで、ここから先の手続きは税理士さんにお願いをしました。
実際のところは
- 年金事務所 – 厚生年金
- 税務署 – 国に設立届と税金についての申請
- 都道府県税事務所 – 都道府県に会社の設立届
- 市町村役場 – 市町村に会社の設立届
の四箇所での手続きを行う必要があり、それぞれ書類の提出が必要なのですが(会社設立freeeに詳しくのってます)、ぼくの場合、仕事の都合もありこの作業は税理士さんにお任せしました。
※ただし、厚生年金の口座振替手続きに関しては銀行口座が必要だったので、手続きが以下の内容と前後しています。
法人用の銀行口座を開設する
法人の口座開設については「個人のように簡単にはできず、開設を断られる場合もある」という噂を聞いていたので、万が一に備えて複数の銀行で一気に手続きを開始することにしました。
実際に開設を検討したのは以下の4つ。
- メガバンク
- 地銀
- ネット銀行
この中で、メガバンクと地銀は先の「履歴事項全部証明書」と「印鑑証明」だけで手続きができたのですが、ネット銀行とゆうちょは登記後しばらくしてから届く「法人番号指定通知書」が必要だったので少し後回しに。
ネット上ではメガバンクと地銀はできたての法人だと断られる可能性もあり、逆にネット銀行とゆうちょは設立直後でも作れるパターンが多いと聞いていたのですが、まさかの最初に設立ができたのがメガバンクである三井住友銀行。
また、法人番号指定通知書が届く前に三井住友銀行の手続きが完了したので、最終手段だと思っていたゆうちょは開設するのをやめました。
ただし、ネット銀行は手数料が安いので、経費の清算や給与など出入りの激しい部分で使いたかったので「楽天銀行」と「SBI住信」の法人口座をそれぞれ開設しました。
法人用のクレジットカードを申し込む
また、法人名義でサービスを利用したり、ネット上で買い物したりする時のためにクレジットカードも作りました。
- 設立直後でも作れるカード – できたばかりの法人は審査に落ちやすい
- 還元率が良い – 法人の買い物は単価が上がるので、ポイントがバカにならない
- 法人口座から引落ができる – 経費清算を楽にするために
- ゴールド以上のカード – いざという時に見られても恥ずかしくないステータス
- 年会費が安い – それなりのステータスだけどそんなに高くないの希望
という4つの条件に見合うクレジットカードを選んだ結果、「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」に決めました。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは
- 設立直後でも審査に通りやすい
- 還元率は0.5%で悪くない(セブンイレブン、イトーヨーカドーを使えば1.5%)しかもJAL/ANAマイルに交換可能
- 法人口座での引落ももちろんOK
- プラチナカード!
- なのに年会費は20,000円!
という好条件で、ぼくの思う創業直後の法人クレジットカードの理想をほぼ叶えてくれていました。
それでも審査に通るか心配だったのですが、申込から1週間くらいして、無事にカードが手元に届きました。
5分で会社作れる、のウソ。
結局、手続きを始めてから登記までに約二週間、そこから法人口座やクレジットカードの準備ができるまでに一ヶ月ちょっとで、総計2ヶ月近くかかったことになります。
会社設立freeeには、5分で会社が作れるって書いてたのに全然話が違う。
…実際2ヶ月近くかかったじゃねえか。嘘ばっかりだ。
…いくらなんでも5分はないだろ。5分は。
…あれ?
…
「5分で会社作れる」なんてどこにも書いてなかった。
「5分で設立書類が作成可能」だっただけです。
完全にぼくの勘違いでした。
そして、実際に会社設立freeeを使うと、確かに設立書類は5分で用意できました。
…全然嘘じゃなかった。
むしろ、会社設立freeeに従ってやらなかったら、何をしていいかわからなかった。
…ありがとう会社設立freee。マジで。
これから会社をはじめて作るのであれば、会社設立freeeは本当に自信を持ってオススメできるサービスです。
多分、使い終わってからこの本当の価値がわかるはず。
そんな感じで。