会社ができたらまずはじめにすべきことの一つ、法人用銀行口座の開設。
銀行口座がなければ、事業収入の振込も給与の振込も何もできませんよね。
ぼくらも振込に法人口座を希望されていたクライアントさんからの支払いが迫っていたので、大慌てで法人口座開設の準備に走り回りました。
事前に、法人の口座開設には銀行の種類によって難易度(審査の厳しさ)が変わるという話を聞いていたので、メガバンク、地銀、ゆうちょ銀行、ネット銀行と複数タイプの銀行へと足を運びました。
その結果、実際に一番口座ができるのが早かったのは、意外な銀行でした。
銀行の法人口座開設難易度の前評判
銀行の法人口座開設難易度の前評判はこんな感じでした。
- メガバンク→設立直後はとても厳しい。資本金がある程度ないと相手にされない。
- 地銀→地元なら比較的作りやすい。
- 信用金庫→地元なら比較的作りやすい。
- ゆうちょ→だれでもいける。
- ネット銀行→基本的には簡単だがたまに落とされる人がいる。
正直ぼくらは設立したばかりだったのでメガバンクや地銀は正直厳しいだろうなと思ったのですが、一応打てる駒はすべて打っておこうということで、可能な限り試してみることにしました。
最初はネット銀行で手続き
まず手続きを行ったのは、二つのネット銀行。
個人事業主の経験から、手数料や使いやすさ的にもメインで使うのはネットバンクにしたいと思っていたので、すぐに申込みました。
ハードルの低さで名高い楽天銀行
最初に申し込んだのは、全銀行の中でも最もハードルが低いと名高い楽天銀行。
必要書類は基本的に以下の二点。
- 履歴事項全部証明書の原本
- 身分証明書一点(運転免許証等)
ただし登記上の住所と連絡先住所が異なる時は、公共料金の領収書や納税証明書などの追加提出が必要です。
また、会社のホームページがなかったりバーチャルオフィスなどを使っている場合も、取引先からの請求書や契約書などの追加の書類が必要。
必要書類の詳細はこちらから見ることができます。
うちは設立後半年以内だったので、請求書の送付などを添付しました。
安定の使いやすさの住信SBIネット銀行
ネット銀行の本命は実は、個人事業主の時から愛用しているこちら住信SBIネット銀行。
使いやすいUIと手数料の安さが魅力の銀行で、ぜひともこちらをメインの銀行として使うつもりで申込みました。
ただしこちらの必要書類は楽天銀行よりも多い、以下の四つ。
- 履歴事項全部証明書の原本
- 法人の印鑑登録証明書
- 法人番号指定通知書
- 代表者の身分証明書
さらに、設立半年以内の場合は以下の四つの書類のうち1点の「コピー」が必要になります。
- 法人設立届出書(控)
- 青色申告承認申請書(控)
- 建物登記簿謄本(現在事項証明書)
- 建物賃貸借契約書
ちなみにこの時はまだ法人番号指定通知書がまだ届いていない状態だったので、結局申込みは数日遅れてしまいました。
並行して各銀行へ
楽天銀行の書類をポストに放り込んだその日の内に、並行してリアル銀行の口座開設手続きへ。
とりあえず移動圏内にあったメガバンク、地銀、ゆうちょを一つずつ回ってみることにしました。
メガバンク枠-三井住友銀行
設立したばかりの法人はメガバンクはあまり相手にしてもらえない、という噂を聞いてはいたのですが、銀行で働く友人からは「全然大丈夫」だと言われたので、モノは試しにと最寄りの三井住友銀行へ。
三井住友銀行の必要書類は以下の三つ(した二つのどちらか)。
- 履歴事項全部証明書
- 法人の印鑑証明書
- 手続きに来店される方のご本人を確認する公的書類
- 手続に来店される方が法人に代わって取引を行うことを確認する書類等(委任状等)
詳しくはこちら
ようは免許証さえあれば、あとは設立直後に法務局でもらった二枚の書類だけでいけます。
店頭で書類を書き、審査に通れば数日内に口座開設ができる、とのこと。
公式サイトには二週間程度を要すると書いてありましたが、店頭では「早ければ2〜3日もあれば」と説明されました。
ただメガバンクに関しては前評判で設立直後の会社の口座開設は難しいという話を聞いていたので、正直あまり期待はしていませんでした。
地銀枠-池田泉州銀行
続いて向かったのは、大阪北部の有名地銀、池田泉州銀行。
こちらではWebサイト上に必要書類の記載がなかったのですが、三井住友と同じく、免許と先の二点の書類で申込みができました。
こちらも店頭で「一週間もすれば・・・」とのことだったのですが、三井住友と違い、こちらは「あれ?これは案外イケるかも・・・?」と言う感じで、少し期待できそうでした。
ゆうちょ銀行
楽天銀行が落ちた人でも作れた、というくらい審査がゆるいゆうちょ銀行。
こちらも念のために作っておこうと向かったところ、以下の必要書類を指定されました。
- 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
- 代表者の本人確認書類
- ご来店者と法人の関係を証する書類
- 法人番号が確認できる書類
- 法人の印鑑証明書
- (主要)株主名簿または出資者名簿
この中で厄介だったのが、法人番号が確認できる書類と株主名簿または出資者名簿。
三井住友や池田泉州では必要とされなかった、法人番号指定通知書や株主名簿が求められました。
また、設立半年以内の場合は以下の四つの書類のうち1点も必要になります。
- 法人設立届出書(控)
- 青色申告承認申請書(控)
- 建物登記簿謄本(現在事項証明書)の原本
- 建物賃貸借契約書の原本
結局この段階では法人番号指定通知書もなく、会社の株主はぼくだけだったので名簿も作っておらずだったので申込みできず。
ただ、肌感的に池田泉州がイケるかな、と感じたので、結局ゆうちょはそのまま申込みをしませんでした。
最速で法人口座が作れたのは・・・
というわけで一通りの口座開設申込み手続きを終えた数日後。
最初に連絡が来たのは、まさかの三井住友銀行でした。
総合間もない会社にはネット銀行がおすすめの理由が「手数料安い」「審査がゆるい」の他に「口座開設がスピーディー」ってよく見るけど、口座開設自体は店舗があるメガバンクや地銀の方が早かったよ。全部同じ日に手続き始めたけど、開設が一番早かったのは三井住友。
— Susumu Harada (@sagatman) 2018年3月14日
三井住友銀行→5日ほどで審査に通り、最初に口座開設。
池田泉州銀行→6日ほどで審査に通り、無事に口座開設。
連日で地銀も通り、想像以上にあっさりと二つの銀行口座が手に入りました。
SBIや楽天の法人口座は、法人番号指定通知書?みたいな書類が必要なんだけれども(ゆうちょも)、ぼくが行った三井住友と池田泉州は登記完了後にすぐ発行してくれる「履歴事項全部証明書」と社印の「印鑑証明書」だけで手続きできるたので、確か一週間足らずで口座が手に入った。
— Susumu Harada (@sagatman) 2018年3月14日
ただすぐに作れたはいいものの、法人口座は開設してすぐにはキャッシュカードくれません。
それぞれ一週間程度が手元に届くまでにかかり、それまでに振込したければ窓口にいかねばならず、しかもその度に用紙書かされるしでものすごい時間のロス。(手数料も高い)
ただ問題点は、都市銀行は通帳はすぐ作れるんだけど、キャッシュカードの発行に少し時間がかかるのと、ネットバンキングが使えるようになるまでに時間がかかるということ。そしてネットバンキングのUIがアレなこと。。。
— Susumu Harada (@sagatman) 2018年3月14日
ネットバンキングが使えるようになるまでもさらに時間が取られるし、しかもめちゃくちゃ使いにくいです。
そういう意味ではネット銀行は一回の手続きで口座開設とかカード発行が完了するし、ネットバンキングのUIも都市銀行に比べるとずっといいし、都市銀行よりも手数料安いしで、総合的にはベターだと思う。ただ、とにかく早く口座だけでも欲しいなら意外と都市銀行の方がってことでした。
— Susumu Harada (@sagatman) 2018年3月14日
トータルで考えると、やはり手数料が安く、またUIも優れているネット銀行の方が、使いやすさでは遥かに上です。
ただぼくの場合、できるだけ早く法人口座が欲しかったので、そういう意味では三井住友がすぐに作れたことには助かりました。
結局、楽天銀行や住信SBIは、書類が到着してから2週間程度の審査期間を経て、カードが手に入ったのは更にその後1週間程度後だったので、結局申込みから一ヶ月近くかかってしまいました。
ネット銀行&都市銀行それぞれの口座をもっておくことのメリット
急いでないなら使いやすいネット銀行だけでいいと思われるかも知れませんが、都市銀行を持っていることには大きなメリットがあります。
というのも、ネット銀行だと引き落としができない場合があるから。
例えばオフィスを賃貸するとして、家賃の引落口座にネット銀行が使えなかったり、あるいはクレジットカードやその他支払い口座にネット銀行が指定できないなど、ネット銀行は意外なところでそういう弊害にぶつかることがあるんですね。
そういう意味でも使える銀行口座は複数種類持っていたほうがいいのは間違いありません。
これから法人口座を作ろうと思っている方の参考になれば幸いです。
そんな感じで。