友人から「4,000円のマスクどう思う?」と聞かれ、「高すぎるだろ」と答えながら、送られてきたリンクを開き、5秒でポチったマスクが届いた。
ミリタリーマニアのファッションデザイナー藤原 昌浩氏が手がける、MOUT RECON TAILOR(マウトリーコンテイラー)というブランドのもの。
調べてみるとMOUTはMilitary Operations on Urban Terrainの略で市街戦(市街地における軍の作戦)、RECONは偵察部隊を意味する言葉。
市街戦における偵察部隊のノウハウをファッションを通じて都市生活に落とし込むというこのブランドのコンセプトにグッときてしまい、思わず即時購入してしまったのがこの”Anti Microbial Mask(アンチマイクロバイアルマスク)”。
いわゆる高級マスクに分類されるであろうこのマスクの魅力について、かれこれ2週間ほど使ってきた率直なレビューをどうぞ。
デザイン・機能性について
第一印象は「思ったよりもしっかりしていた」(失礼)
商品写真やモデル着用イメージなどでは確かにしっかりしているイメージは持っていたものの、いざ実物を手にした時は、その高級感や重量感に驚いてしまった。
真っ黒な外観にしれっと主張するブランドのタグが印象的なデザインだが、何より特徴的なのはこのストラップの部分だろう。
このストラップ部分はITW Nexus社というアメリカのミリタリー専門のバックル系メーカーのものを使用。
これがミルスペックというアメリカ軍が規定する条件をクリアした規格のものだそうで、コンセプトを追求するブランドのただならぬこだわりを感じることができる。
絞りを使ったサイズ調整が可能なので、顔の大きさに関わらずフィット感を得ることができる。
また構造だけでなく、素材にも機能性が備わっているのがこのマスクのすごいところ。
メインのマスク部分の素材には、幅広い製品に抗菌のためのコーティングを施す際に使われる銀ナノ粒子を練り込んだ糸が使われている。(どれくらい効果があるのかは知らんけど)
その他にも速乾性やUVカットの試験もクリアしているなど、日常遣いのマスクとしても申し分ない機能が並んでいる。
商品の使い心地について
このブログを書いている時点ですでに2週間ほど経過しているのだが、実際に連日使ってみての個人的な所感を述べていきたいと思う。
ストラップ構造の使い勝手が◎
まずこのマスク最大の特徴と言っていい独自のストラップ構造だが、この機能のもっとも優れている点はストラップを緩めることで首にかけておくことができるという点だ。
例えば一人での運転中や食事中など、一時的にマスクを外してどこかに置いておかなくてはいけない時も、このようにして首からぶら下げておくと、落としたり無くしたりすることがない。(使い捨てマスクの時はよくやらかしていた)
逆にストラップをしっかりと絞ると、顔の大きさにかかわらず顔にピッタリと装着することができる。顔の形のせいで、一般の使い捨てマスクが全然顔に合わなかった僕にとっては、この仕組みもまた、かなりありがたいものだった。
耳にかけずに絞るだけで固定できるので、着脱の多い時はかけず、逆に移動中など着けっぱなしの時は耳にかけるなどシチュエーションによって使い分けている。
ちなみに耳にかけていないときは顎の下にどうしても隙間ができてしまうので、感覚としてはスカーフやバンダナに近いので、個人的には耳にかけて使うスタイルの方が好みだ。
ただし、耳にずっとかけているとストラップの部分と耳の付け根が擦れてちょっと痛くなる。個人差はあると思うが、要注意。
速乾性が高いので毎日使える
速乾性もクリアしているということもあって、確かに乾きが早い。
毎日シャワーを浴びるタイミングで軽く手洗いし、そのまま風呂場に干して乾燥機をかけているが、朝にはしっかり乾いているので毎日使うことができる。
またこういった布製のものを手洗い&部屋干しで使うときに懸念される生乾きのニオイだが、今のところ一才ない。(もちろん、各家庭の換気状況にもよるだろうが)
生乾きのニオイは菌の繁殖によるものといわれているが、抗菌されていることでニオイが防止できているのかもしれない。(知らんけど)
最初はこの生乾きを恐れて、1日おきに使い捨てマスクと交互に使おうかと考えていたのだが、いざ使い始めてみると毎日使っていても何ら問題はなかった。
素材が毛羽立たない
僕は顎髭を生やしているのだが、使い捨てマスクを使っているとこの髭が当たって毛羽だってしまうことがよくあった。
別の繰り返し使えるマスクを使ったこともあったが、髭が繊維の間から飛び出すし、何日も使っていると少しずつ毛羽立ってくる。
ところがこのマスクだと、そういったことが全くない。繊維も細かいのか髭が突き抜けたりはしないし、今のところ毎日使っているが毛羽立ちもない。
カッコいい
ドイツの建築家ミース・ファン・デル・ローエは「神は細部に宿る」と言ったが、この商品はまさにそれを体現しているように感じた。
過酷な環境下におけるリーコン(偵察部隊)の技術やノウハウを、コロナ禍におけるこのマスク需要の中に取り入れ、日常生活でマスクに求められる機能へと昇華。
それでいて無駄な装飾は一切なく、機能を追求した結果出来上がったこの形。
うん、めちゃくちゃカッコいい。
まとめ
もはやマスクを着けるのが当たり前になった日常。
毎日使うものは少しでも自分のテンションを上げてくれるものにしたい。
もちろん世の中にはすでに繰り返し使えるマスクは沢山あったし、これまでにいくつか試してみたこともあったが、このマスクはそのコンセプトと実際の機能、そしてこのビジュアルで、完全に僕の心を捉えてしまった。
使い捨てマスクと比較して4,000円の元を取る、ということを考えると確かに割は合わないかもしれないが、この実用性を日常に取り入れたい気持ちと、毎日のテンションを少し上げたければ、このマスクは全く高くない。
そんな感じで。