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フリーランスのアラサー独身男性が、一年一人で田舎暮らしをしてみた感想。

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2016年の7月に、兵庫県の佐用町という人口1万7千人の田舎へと移住しました。

振り返ってみれば長かったような短かったような。(どっちやねん)

今回はちょっと、そんな暮らしの中での変化や差異について、かつてないほど素直に、率直に書いてみました。

目次

人間関係の煩わしさは相変わらず。でも…

都会でも田舎でも、人間関係の重要性は変化ありません。

ぼくはもともと超自意識過剰体質なので、相変わらず人との関わりには悩まされる日々です。

ただ決定的に違うのは、「競争」という概念から解放されたということ。

ニューヨークにいたころは、同世代で、しかも近しいフィールドで切磋琢磨する人間が多かったことで、いつも緊張感がありました。

誰かに負けたくないという思いや、同世代の活躍を見て悔しくなったりすることも多く、時には自己嫌悪の悪循環で、落ち込むことも多々。器が小さい。

でも佐用町に来てからは、そもそも同世代が少ない上、自分と同じフィールドにいる人間はほぼ皆無。

それだけに必要とされる場面も多くて、ニューヨークではだれからも気にとめてもらえなかったぼくという個人が認めてもらえる土壌があって、現実世界における承認欲求が満たされているというか、なんていうかリア充です。パリピです。町の平均年齢60歳越えてるけど。

ニューヨークにいる時は、単純な能力不足や人見知りスキルの高さから、現実世界に居場所が見出せず、ネットに居場所を探すことでかろうじて自分を保っていましたが、見事リア充になった結果、Twitterなどの利用頻度も減り、ネットにおける知名度向上やバズなどに対しての意欲がずっと低くなってしまいました。

このような状況の変化がもたらしたのは、精神状態の安定。(ニューヨークでどんだけ不安定だったんだっていう) 人間関係からのストレスフリー。

ただこれ、一つ間違えば自分を井の中の蛙にしてしまい、向上心を失わせることにもなり兼ねないので、そこは定期的にTwitterやFacebookで同世代の活躍とかを見たり、都会に出て若くてイケイケな人間を観察をしたりして「ぐぬぬ・・・」となることでバランスをとっています。

家にいることが多くなったので、太りました。

元々インドア系なので一人で家で過ごすことが全く苦ではないのですが、車主体の生活に切り替わったことによって、必要以上に外に出なくなりました。っていうか徒歩圏内で行けるところって不定休の駄菓子屋か、郵便局しかないもんね。

ひどい時は数日間家から出ないなんてこともザラで、当然ほぼ座りっぱなしなので運動不足です。

さらに、なまじ簡単な自炊ならちゃっと出来るもんだから、食べたい時に食べる生活で、ちょっと太りました。

最近はマッチョな人が出てる映画とか見ながら筋トレしてます。

出費は…?

田舎暮らしは生活コストが低い、なんて言われますが、そもそも比較対象がニューヨークだとしたら比べものになりません。一回外食するだけで最低2,000円はかかるんだぜあの街。狂ってるよ。

こっちに越してからは、地元の市場なら超新鮮な野菜が大阪の半額以下で買えたりするので、食材選びが楽しくて仕方ありません。

ぼくは契約の都合上、家賃はかかっていませんが、借りたとしても当然都会とは比べものになりません。(一軒家丸ごとで二万とか)

ほとんどの飲食店が夜8時で閉まる上に、最寄りのお店まで車で10分はかかるので自炊した方が早いし、一人暮らしの車生活にとっては飲みに行くなんて年に何度かのお祭りレベルになので、その辺りの出費もほぼなくなりました。

ただぼくの場合、頻繁に大阪と行き来したり、出張も車でいくことが多いので、ガソリン代はそこそこかさんでます。あと、水道代とかは都会よりも高いらしい。(上下水道合わせて5000円くらい)

ニューヨークにいた頃は、狭さも安さも破格の部屋で暮らしながらクーポンを利用しまくるセコい生活をしていたので、あの時はあの時で安かったですが、同じレベルの暮らしをしたら、当然佐用町で暮らしている方が生活コストは低いでしょうね。

買い物とエンターテイメント

「都会はお店がなくて不便よね〜」とか言われますが、ミレニアル世代なめんなよ。
食材と木材(家の改修用)以外、大半をAmazon及び楽天で済ませております。そっちの方が安い上にポイント貯まるし。

ぼくの家は町の中心部から割と離れた山合いですが、Amazonプライム大活躍。
WiMAXは圏外でしたが、ハードドライブ買っても翌日には届きます。

町にはカラオケも映画館もありませんが、ぼくの家の周辺は裏が畑で両隣空き家なので深夜でも弾き語り全然OKだし、AmazonプライムビデオとNetflixがフル回転で見るものが一向になくなりません。一人で楽しむ分には全然OK。

ただし、デートとなると、カラオケや映画館がないのは少々痛いところ。
車で姫路くらいまで出なければいけません。(50分くらい)

まぁそもそも、デートする機会がないわけですけれども。

全く興味がなかった車が好きになった

車が主体の生活になったので、昔は一切興味のなかった車についてものすごく惹かれるようになりました。

田舎で移動も多く、頻繁に高速を使って遠出もするので、特に燃費が良くてアウトドアに適したような車が欲しいなぁと感じるようになりました。

今は中古で30万くらいだったトヨタのカローラスパシオに乗っているのですが、いずれはハイブリッドのSUVタイプに乗りたいと思っていて、最近は暇さえあれば中古車サイトばかり見ています(笑)

そう。「異性との出会い」が無い。

デートする機会っていうかそもそも、出会いがありません。

そりゃそうだ、人口1万7000人、平均年齢60オーバー。

町内に大学なんてございませんので、地元にいる若い子は高校生か、それを超えると大半がもう誰かのワイフです。

そもそもぼくは、自営業者で仕事はほぼPCの前。都会でも出会いないやつです。

一時、ご近所出会い系アプリ使えば?なんて話もありましたが、一回起動してみろって。マッチするとかしない以前に、利用者がいねえから。

大阪に行った時であれば多少の出会いは見込めるでしょうが

「仕事なにしてるんですかぁ〜?」

「クリエイティブ系のチームで、アートディレクターを(最大限にカッコつけた言い方)」

「え、なんか素敵〜!どこ住んでるんですか〜?」

「兵庫の田舎の山奥です(ええ声)」

「あ、そうなんだ(無表情)」

ていう流れが大半(予想)なので発展性がありません。

この後「まぁ頻繁に大阪にもどってくるけどね!?」「フットワーク軽いしね!?」と言ったところで虚しいフォローに過ぎないでしょう。(予想)

まぁそもそも人見知りなんでそれ以前の問題なんですけども。

楽しいけど、正直なところ…

じゃあ今、異性との出会いを強烈に欲してるかって言われたら正直そんなこともなくて、割と今自分の好きなように時間がコントロールできていることへの充実感がはるかに勝(まさ)っています。(たまに猛烈に寂しくなる夜がありますが)

都会育ち的には、近場にコンビニがないとか、飲みに行けないとか不便を感じるところは多少ありますが、それも慣れてしまえば別になんてことはなく、逆にコンビニでの無駄な出費が減り、たまに行く飲みが貴重で酒がより美味しくなったり、むしろポジティブに考えているくらい。

空気も水も星空も相変わらず綺麗だし、10ヶ月たった今でも、全然飽きたりなんかしてません。
ぶっちゃけ、私的には超楽しいです、この生活。

ただ、だからって「みんなも移住しようぜ!」なんて言う気はサラサラなくて。

ぼく、この生活を始める直前までの二ヶ月近く、車で寝泊まりしながらアメリカ横断をしていました。

おかげさまで、屋根と布団があるところで足を伸ばして安心して寝られるだけでも、ものすごい幸せなんです。

たとえ水道管が凍りついてお湯が出なくなっても、真冬に壁に穴が空いていて風が思いっきり入り込んでも、全然平気(いや辛いんだけど、耐えられる)。そこから工夫してなんとかするのが楽しいとすら感じます。

ぼくも暮らし始め当初は、「みんなも移住しようぜ!」とか思ってました。

が、この不便さだったり不都合さをポジティブに捉えられるかってのは一種の才能というか人間性に依るところがあるみたいで、遊びに来た大半の人は、「よくこんなところで暮らしてるな、自分には絶対無理」と9割方言い残して行きます。

そういうのを見ていると、どうやらぼくは少し変わってるらしいということが最近わかって来ました。

確かに、単純に家もそうですが、周辺環境であったりとか、田舎の小さなコミュニティの中でうまくやっていくにはある種の図太さだったり、器用さも必要になります。

ぼくは決してコミュ力は高い方ではありませんが、そういう環境の中で、我ながら思った以上にうまくやれてる方ではないかと思うのですが、これもまた、誰でもできるものではないでしょう。(能力の優劣とは関係なくね)

都会に合う人、合わない人がいるように、田舎にも合う人、合わない人がいます。

だから正直なところ、町の移住促進!みたいな動きには同調できないし、みんなにも無責任に「移住おすすめ!」とはよう言いません。(他人がやってる分にはいいけど)

ただ、田舎暮らしに興味がある人は、マジで短期留学制度みたいな感じで、1ヶ月とかから体験移住みたいなのできればいいのにね。

万が一佐用町でやりたい人いたら、色々つてはあるので、ぜひ相談しに「来て」ください。(笑)

そんな感じで。

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さがやん
ブロガー/企画屋
仕事や遊びを効率化するガジェットやツールを愛して止まないブロガー。大阪でデザイン制作やスタジオ運営をする会社を経営しながら、田舎の古民家と行き来する二拠点生活を行っています。
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