外出自粛要請によって、在宅での仕事や待機を余儀なくされている人も多いかもしれません。
これを機に自宅でYouTubeを始めたり、授業やセミナーの動画配信を始める人も多いのではないのではないでしょうか?
今回は、制作会社と撮影スタジオを運営しているぼくが、自宅でもクオリティの高い動画を撮影するためにそろえたい機材と注意したいポイントを紹介します。
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スマホでも撮影できる?ビデオカメラの方がいい?
動画撮影のためにまず何より必要なのは、やはりカメラですが、安い買い物ではありません。
「最近のスマホは動画性能も優れているし、動画撮影はスマホでもいいんじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。
結論から言うと、大半の人が持っているスマートフォンでもクオリティの高い動画は十分に撮影できます。
スマホで撮影するメリット
・カメラを買う必要がない
・撮影が簡単
・収録してそのままアップできる
カメラで撮影するメリット
・スマホよりも高画質
・スマホよりも細かい設定ができる
・レンズを変える(画角を変える)ことができる
基本的に自宅撮影をするだけなのであればスマホでも十分ですが、よりクオリティの高い動画を作りたい場合はカメラを使うのが良いです。
スマホで撮影する場合
上記を踏まえた上で、スマホで撮影しようと思った方には、動画の質を上げるために以下の3点に注意してください。
・画質
・音質
・明るさ
以下より、それぞれのポイントについて解説します。
画質について
まずは、スマホ撮影の画質について解説します。
多くの人は、画質の設定を特にしないまま動画を撮影していますが、多くのスマホではそれぞれ動画の設定を変更することができます。
Androidの場合
カメラを起動し、画面を下にスクロールするとフラッシュの有無とフレームレートを設定することができます。
[写真]
フレームレート(fps)は、1秒の動画に何枚の静止画(写真)があるかの設定のこと。数値が高いほど動画は滑らかになるが、撮影タイプによって使い分けるほうが良い。一般的に、映画は24fps、テレビは30fps、60fps以上はスローモーションに使われていることが多い。
ぼくの持っているPixel 3aの場合、さらに設定ボタンを押すと4K撮影を設定することができるようになりますが、4K設定をするとフレームレートが変更できなくなります。(30fps固定になります)
iPhoneの場合
設定>カメラ>ビデオ撮影で画質とフレームレートを編集することができます。
[写真]
フレームレートは、撮る動画のジャンルによって変更した方がいいですが、自宅でカメラに向かって撮影の場合は、とりあえず30fpsに設定しておけば間違いないでしょう。
・自宅でカメラに向かって話す系の場合は4K/30fpsが一番おすすめ
・容量が心配な場合は1080p/30fpsでOK
音質について
続いて音質についてですが、最近のスマホは高音質での収録が可能です。
しかし必要以上に外の音を取り込んでしまったり、音声が外の音に埋もれてしまったり。
そういう状況を避けるためにも、指向性の高い(向いている方向の音だけを拾いやすい)外部マイクを用意することをおすすめします。
Androidの場合
Androidスマホの場合は、基本的に通常のイヤフォンジャックがあるので、それに対応したマイクを購入すればOKです。
1,000円台で比較的評判が良いのはこちら。
ぼくは使ったことがありませんがAmazonでもベストセラーになっていて、問題はなさそうです。
値段は少し上がりますが、RODEのVideoMicroはぼくも愛用していておすすめ。
将来的に別でカメラを購入した時にも主要マイクとして活躍できます。
iPhoneの場合
iPhoneの場合はライトニング端子のものしか使えないのが不便ですね。
専用のものを買ってもいいですが、アダプターだけ買ってイヤフォンジャックのものを応用するのも一つです。
専用マイクなら、値段は張りますがSHUREのものがおすすめ。
iPhoneで撮影しているYouTuberの定番です。
明るさについて
動画を始めようとするとき、大半の人はどんなカメラを使うかを重要視するのですが、個人的に動画の質を決める一番の要素は明るさ=照明だと思っています。
照明の有無で動画のクオリティが劇的に変わるというのは、一度経験してみたらはっきりとわかるはず。
安いモノでもいいので、一度使ってみるとその効果はすぐにわかります。
上のNEEWERのライトは手も出しやすい値段でスタンドやスマホホルダーなどもセットになっているので、これからスマホ撮影を始めたい人にとっては最高のオールインワンセットかもしれません。
ちなみにぼくが使っているのはFalcon Eyesというメーカーのライト。
細かく明るさを調整できたり、コンパクトに折り畳みができるので撮影時以外場所を取らない点が非常に気に入っています。
その他の自宅スマホ撮影に欲しい機材
NEEWERのライトにはスタンドとスマホホルダーがセットになっていましたが、一体型を購入しない場合はスマホを固定する三脚&スマホホルダーが必要です。
三脚のおすすめはVelbonのもの。3,000円くらいとコスパが良いのでぼくも愛用しています。
三脚だけだとスマホが固定できないので、スマホホルダーは忘れないように。
マイクを外付けする場合、ピンマイクであれば自分の服につけるのでいいのですが、VideoMicroのように外部に伸びるタイプの場合、それを立てるためのスタンドかあるいは、接続できるスマホホルダーの必要があるので要注意です。(上のUlanziのものは外付けマイクに対応しています)
おすすめの動画撮影用カメラ
スマホでも十分に撮影できますが、普段持ち歩くスマホを動画撮影にも使うとなると、毎回セッティングしたり、容量が心配になったりしますよね。
効率的な撮影に向けては、動画撮影専用のカメラを用意することをおすすめします。
YouTuberのあいだでは一眼レフを使うのが主流になっていますが、写真を撮ったり、あるいはシネマティック(映画風)の動画を撮影するのではない場合、ぼくはあくまでもビデオカメラ(ハンディカム)を使うことをおすすめします。
・一眼レフより安いものが多い
・長時間撮影に対応
・光学ズーム
・高音質
最近は動画前提の一眼レフも多いですし、動画クリエイターの人も一眼レフを主体で使う人が増えました。
しかしぼくは、写真的なアプローチ(レンズを変えてボケ感を出したりとか)で動画を撮る人以外は、一眼レフはあまり適していないと考えています。
もともと一眼レフを持っていて使い回したいという人でない限りは、在宅撮影には「動画専用のカメラ=ハンディカム」をおすすめします。
ちなみにビデオカメラ(ハンディカム)を販売している代表的なメーカーとしてはSONY/Panasonic/JVCあたりが主流ですが、中でもSONYは最近動画に力を入れていて性能が良いのでおすすめです。
ちなみに自分だったら初めの一台として購入するのならこちら。
・4K撮影対応
・外部入力有
・内臓メモリ64GB
おすすめポイントは4K撮影ができるのに10万円を切る唯一のモデルという点。
上にAX60、AX700とレベルが上がりますが、もちろん値段も上がっていきます。
バランスを考えるとこのAX45が最も自宅撮影に向いているのではないかと。
ちなみに4Kほどの画質はいらない、フルHDでも十分!という人はこちらのCX680がおすすめ。
半額くらいの値段で、4K撮影ができない点以外は基本的にAX45にも劣らない性能を持っています。
ただし今後4Kのテレビやスマホがどんどん増えていく中で、個人的にはやはり4K撮影ができる機材がおすすめです。