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Day27. 圧倒的大自然の中で感じた自分自身の不自然さ。(ホワイトサンズ国立公園)

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この旅の最大の目的は「自然」でした。

直近五年を摩天楼に囲まれたニューヨークシティで暮らしたぼくにとって、「自然」とはもはや「非日常」でした。
そういうものを求めてこの旅に出て、アメリカ全土に広がる海や山、砂漠や荒野に触れたかった。

テキサスまではどちらかといえば、人を訪ねたり思い出を訪ねたり街を見たりが主体でしたが、ここから先、ぼくはどんどんと大自然の中へと足を踏み入れていくことになります。

その皮切りとなるのがホワイトサンズ。
ニューメキシコに広がる真っ白な砂漠の圧倒的な景色に、ぼくの頭も真っ白になりました。

エル・パソでの朝食

せっかくメキシコ文化で溢れるエル・パソにいるのだからと思い、メキシカンな朝食を食べるためにオススメのお店をAirbnbのホストに聞いてみました。

進めてもらったのは、彼の家からほど近い、Lucy’s Cafe Restaurantというお店。
チェックアウトの後、その日の目的地であるホワイトサンズに向かう前に立ち寄ってみました。

まずはエントリーとしてこのトルティーヤチップスが出てくるのはメキシカンのお店の定番ですね。

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朝とか関係ない。

ウェイトレスさんにオススメを聞いたところ、このお店の定番セットが一押しとのことでそれをいただくことに。

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マチャカと呼ばれるお肉をつかった料理とハッシュドブラウンとビーンズ。
おすすめなだけあって確かに絶品。すごく美味しくて、家の近くにあったら通ってしまいそう。

ホワイトサンズ

朝食で満足した後は陽気にホワイトサンズへ。

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道中、ちょっとずつ樹木よりも岩山などの比率が上がっていき、視界も広くなっていくのでテンションが上がっていきます。いよいよ本格的になってきた。

なぜかドリカムを聞きながら駆け抜けること3時間ほど。

無事到着することが出来ました。

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まずはこのビジターセンターにて、この日のキャンプの予約。

ここでははじめからキャンプをするつもり出来たのですが

  • 事前予約不可
  • キャンプ可能なのは10組のみ

とのことだったので、この時点ですでに昼前ということもあり、正直空きがあるか不安でしたが、普通にいけました。(シーズン外だしド平日なのも幸いしたかも)

ここで手続きを終え、キャンプ場までの行き方と料金の支払いに関してガイダンスを受けた後は、再び車に乗って入場ゲートへ。

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この入場ゲートにて、入場料金$3を払います。(キャンプ代もこれに含まれてます。やっす。)

で、辿り着いた景色がこちら。

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雪ではありません。砂です。

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遮るものが一切ない、THE 砂丘。めちゃくちゃ暑かったです。

水分なんてほとんどないはずなのに咲く花。

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隙間から、白いトカゲっぽいのがちょこちょこ出てきます。

ちなみにキャンプ場までは約1kmの距離を徒歩で向かわねばなりません。

他のキャンパー達はガチのトレイルシューズにバックパック装備でバッチリな中、そんなものは全く用意もせず舐めきってたぼくは普通のスニーカーにIKEAのトート及びトートバッグ×2で挑んだのですが、かなり無謀でした。思ってたより砂丘の1kmは長い。                                                                                                                                                  

ちなみにここ、無事にキャンプサイトにたどり着けるようにポールが立っていて、それを辿っていけばちゃんと付くようになってるんですが、いまいちこのポールがわかりにくいです。

キャンプ場に立ってるポールにはちゃんと番号がかいてあります。ご心配なく。(このアドバイスの重要性は行った人にしかわからないはず)

で、いざ着いたら着いたで風強すぎ。

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砂なのでアンカーもほとんど役割を果たせず、テントの形を作るまでに凄まじく苦労しました。

なんとか出来上がったテント。

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右側のへなってなってるのは、風のせいです。マジで。

ちなみにこのフンコロガシみたいな子があちこちにいました。

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ちょっとGライクな見た目なので最初はびっくりしましたが、あまりにも沢山いるのと、無害なので、途中からは全く気にならず。日陰が好きらしくて、テントができてからはやたらとテントの下にもぐりこみたがりました。

日が落ちる前に夕飯の用意。

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ちなみにこのキャンプ場は、back country campingというスタイルで、ようはこれは自然の中でやるキャンプのこと。

明かりなんてもちろん、トイレや水場は無しで、キャンプファイヤーも禁止です。(ぼくの使ってるガス缶とかのはok)

でご飯を食べてるうちにサンセット。

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はしゃぐ28歳。

A photo posted by sagat (@sagatman) on

砂、寝転ぶと気持ちいいんです。

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夕日は、人生で見た中でもTOP3に入る美しさでした。

そして夜。

明かりなんて一切ないから、最高の星空が見える、と期待していました。

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が、まさかのこの日、満月でしかも数年に一度の火星が月にめっちゃ近づく日?とかなんとかで、見たことないくらい月が大きく明るくなっておりおかげさまで星があまり見えなくなるという悲劇。

それでも月が雲に隠れている間は多少、見えました

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これがぼくのカメラスキルの限界値。本当はもっと暗くて綺麗でした。

不自然すぎる自然

ここで過ごした半日。
それは、ぼくの今までの人生の中でもかなり特異なものでした。

なにせ、まず視界が白と青のみ。人工物は目印に建てられたポール以外一切なく、果てしなく広がる白い砂丘と笑えるくらい青い空が視界を二等分しています。

そんな見たことのない景色の中、たった一人ぼっちです。
キャンプサイトはうまく分けられていて、各地点から他のキャンパーが見えない仕組みになっています。なので、テントから出るとやはり視界は白と青のみ。自分を除いて他の誰も視界にはいません。

そして無音。
夜になると完全に風は止み、この砂丘の中が静寂に包まれます。
ぼくらは日常の中、常に何か人口の音に囲まれて暮らしています。
外ではもちろん、家の中でも冷蔵庫やパソコン、電気すら音を発しています。
そういった類の音が一切ない、自然の音しか聞こえない状態。

気温差も恐ろしいです。
日中汗だくになっていたにもかかわらず、日が沈んでからは驚くほど寒い。
焚き火もできないから、持ってきたダウンのみが命綱。

そして一人。圧倒的孤独。
まだ歩けば車までたどり着けはするものの、一度方角を見失ったら最後、この極寒の砂丘の中を日が出るまでさまようことになります。

結果的にフンコロガシ的なやつとトカゲしか見ませんでしたが、肉食の動物がいないとも限らない。ご飯の匂いにつられて、コヨーテみたいなのがきたらどうしよう、なんて緊張感もありました。

これらの事象は全て、ぼくのこれまでの「日常」の中ではおそろしいくらいの「非日常」でした。

常に外で車や誰かの声が聞こえるニューヨークのアパート。
部屋では電気とパソコンが静かにジーとなり続け、部屋を出ればテレビの電源や冷蔵庫の音が。
街ではクラクションと地下鉄が鳴り響き、10秒に一回はだれかの携帯が鳴る。
そういうノイズを遮断したくて、イヤホンをつけて音楽を聴く。視界には常に黄色いタクシーや視界の中心線よりも高いビル。コンクリートの道を歩き続けながら排気ガスとタバコの副流煙の混じった空気を吸って歩く。

これがぼくの自然でした。これがぼくの日常でした。

しかし、ここで体験した「自然」は、あまりにもそのぼくの「自然」からかけ離れている。

どれだけ自分が「不自然」の中で「自然」に暮らしていたのか。
どれだけのノイズにまみれてぼくは生きているのか。ぼくはどれほど自然の営みから外れて生きているのか。

真っ暗なホワイトサンズで、一人それに気づいた時、(それは寒さのせいだったのかもしれませんが)鳥肌が止まらなくなりました。頭も真っ白になりました。

生きるってなんぞや。

そんな感じで。